ロープレをうまくやっても意味が無い理由とは


キャリアコンサルタント(CC) 試験のロープレにかぎらず、 

実技を評価される試験対策ではその対象となる実技の技量向上のために

たくさんの練習を行います。  

建築士の実技試験であれば与えられた設計課題に対し、いかに短時間で

ミスが無く、的確な設計ができるかを問われます。 

ですので受験生はそのための練習を必死に行います。 


では、CC試験のロープレ練習ではどうでしょうか。

 上手に破綻なくロープレがこなせることが練習の目標になるでしょうか。  

実はそれではあまり意味が無いのです。 


そもそも上手に破綻なくロープレがこなせたからといって、 それがこの試験の

評価している面談理解につながりません。 

面談理解とは、 前述したように「クライエント」「聴き手としての自分」

「面談の現在地」の理解です。

 そうしたことをすべてクリアしたうえでの上手な破綻のないロープレならば

よいのですが、 現実はさほど甘くはありません。 

たったCC試験の15分や技能士2級の20分のロープレで面談理解が完璧に

できるわけはありません。 


最も大切なことは、面談を理解しようと努め、どの程度理解できたかを理解

していること、つまり「面談のメタ認知」です。

 これは現実に面談を数多く経験した人ならおわかり頂けることだと思います。

 クライエントは状況も感情も目的も様々であり、それを聴く自分の理解度や

コンディション、感情もつねに一定ではありません。

 ましてやかぎりのある時間の中での面談プロセスの現在地も毎回異なります。

 いくら試験のロープレでシナリオ通りに完璧に進められたとしても、そんな

ことは現実の面談で常に求められている面談理解には何の関係もありません。

 CC試験も技能士2級試験もそのあたりは非常に現実的な評価をしていて、 

小手先だけのきれいなロープレなどは (出来ないよりはマシかもしれませんが) 

 評価していません。  


ですのでロープレ練習はロープレを上手く卒なく進めることではなく、

 どのようなクライエント、面談テーマであっても自分なりにその面談を

どう評価するか、その一点にこそ集中すべきなのです。  


次回は、クライエントの理解について書きます。  






「はたらくのことはり」

こんにちは。 キャリアコンサルタントのユタカです。 「キャリア」とは、「はたらくこと」とは の観点から、 人と働くことの関わりを広くとらえて書いています。