二者択一問題


相談内容にも様々ありますが、その中でも「二者択一問題」はよくある相談内容です。

例えば「大好きな人と結婚を決めているが、同じタイミングで地方の大きなプロジェクトを任されることになった。相手にはそのことを言い出せない。どうしたらよいのか・・・」 

プライベートと仕事の二律背反ですね。 また「今の仕事にはとてもやりがいも感じているし、職場の人間関係も良好でずっと続けていきたいと思っている。しかし、最近になって親の介護の問題が浮上してきた。これからどうすればよいのだろうか」というのもよくある話です。

最近は藤井聡太さんの登場で将棋ブームだそうですが、これ等の相談はまさに「王手飛車取り」の状況に見えます。 こんな相談を受けたとき、経験の浅いキャリコンはどう支援すればよいのか、立ち止まって考え込んでしまうかもしれません。 試験のためのロープレ練習でも、このような二律背反に見える問題にはよく出くわします。そんなときはどうしたらよいのか。 

私がオブザーバーのときは、だいたい次の点をアドバイスしています。 


・ 二律背反に見えるが本当にそうなのか

・ 相談者の思い込みや事実誤認はないか?

・ 中間や別の視点での選択肢はないか?

・ 時間軸を拡げた場合でもそれは二律背反か?


これらについて丁寧に相談者の話を聴いてみると、意外と二者択一問題ではないことは往々にしてあります。人は悩みの渦中にあるとき、極端に視野が狭くなっていたり、時間の観念がとんでしまっていたりします。 だからこのような相談を受けたときは、いつも以上にじっくりと丁寧に相談者の話を聴くことです。 それでも決めきれない時は、最後は相談者の自己概念や価値観を内省によって明確にし、それに従うという方法もあります。そもそも人の決断や選択というものは、自分で気づいているかどうかは別として、それまでの人生ストーリーを貫いている自分なりの決断パターンで選んでいるものです。

その決断パターンを見出せるように支援することもまた重要なキャリアコンサルティングのあり方であると感じます。


次回は、「ロープレでの時間の使い方」について書きます。


 

「はたらくのことはり」

こんにちは。 キャリアコンサルタントのユタカです。 「キャリア」とは、「はたらくこと」とは の観点から、 人と働くことの関わりを広くとらえて書いています。