キャリコン四方山話・其の二 《AIの進化とキャリアコンサルティング》
藤井聡太七段の大活躍で最近のAIを活用した棋界の進化が大きく取り上げられている。
棋界では人間の棋士とAIは対立するものではなく、いまは棋譜の研究にAIが不可欠という位置関係らしい。ただしAIをフルに活用してそれを自分の力とできるのは、基本的に棋士としての実力あってのことで、 藤井七段の場合はそれが傑出しているのだという。
ところで、AIがどんどん進化していくと、ある段階でシンギュラリティを迎えて人間の能力をすべて上回ってしまい、ほとんどの職業が不要になるという説がある。 すでに企業の経理など管理的業務は置き換えが始まっていて、いずれ責任者以外すべて不要になるという人もいる。 そうするとキャリアコンサルタントのようなカウンセリング業務はどうなるのだろう。
自分の考えはAIがどれだけ進化しようとシンギュラリティを迎えようと、カウンセリングの仕事が AIに置き換わる日はやってこないというものである。
その理由は簡単である。
人にまつわる様々な問題は、その環境を前提として発生しているからである。 つまり、AIがシンギュラリティを超えてからの社会では、それを前提とした問題が新たに発生するからである。このことは矛盾しているように聞こえるかもしれないが、人間の進化を考えてみればわかることである。 たとえば大規模な国どうしの戦争や差別、環境問題は、石器時代には無かったはずだし、インターネットセキュリティの問題は、コンピューターが存在しなかった時代には無かった。 すべて人間と社会が進化し、進化した社会状況によって発生している問題である。だからシンギュラリティを超えたら超えたで AIが人間の能力を超えている前提での様々な問題が、現代社会の諸問題よりさらにパワーアップして登場してくるのだ。 自分は状況とは必然の産物だと思っていて、AIの登場も現代社会が既にそれ無くしては回らない段階にきているからだと思っている。 パソコンやスマホの無い社会には二度と戻れないのと同じく、これからの人類にとってAIもすでに無くてはならないものになっている。 その上でキャリアコンサルティングも、AIやネットの通信手段がある前提のものに変化していくことだろう。
いや、それはもうすでに始まっている。
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